【読者投稿】おはよう、いばら姫 (2) 感想
当サイトでは、読者さんからのコミックス感想文を募集しています。
今回は、manaさんからの投稿で、おはよう、いばら姫2巻について、感想文を掲載します。
ヒロイン志津は死者が取り憑く憑依体質で、気絶や睡眠時に体を好き勝手に使われてしまいます。ぱっと見では人格障害のようにも見えます。
2巻では第3の憑依者、オシャレで意地悪なみれいさんが登場。はっちゃけた現代っ子で哲とは相性最悪だけど、ふりまわされる哲は見ていて楽しいです。ナンパ男に絡まれるみれいを「兄です!」と庇ったのが可愛かった。泣き顔はもっと可愛かったです。
実は幽霊以上に志津を怖がっていることを自覚した哲。怖くなくなりたいと、その為に協力してほしいと志津に頼みます。そして少しずつ歩みよる様はあたたかい。
そんななか哲の大事な通帳が川に落ちるハプニングが発生し、志津はなんの躊躇もなく飛び込みます。ここに志津の本質が出ていると思いました。
志津は自分というものが希薄で、好きも嫌いもなく、命への執着がない。相手の為に変わろうとするけど、決してそれは【自分】の為じゃない。その歪さが少し怖く、切ないです。哲の「人間にしてみせます」という言葉の本質、重さ、難しさを思い知ります。
葛藤のすえに哲がどう動くのか楽しみです。いつか穏やかに笑う志津が見れたらいいな。
講談社 (2015-09-11)
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