[書評]青山月子です! 第3巻

ライターの鈴です。今回は、青山月子です! 第3巻をご紹介します。

青山月子です! 第3巻 (湯木のじん先生)

青山月子です! 3 (マーガレットコミックス)
湯木のじん
集英社(2015-11-25)

事故で記憶を失った少女の物語が完結。2巻ラストで加賀美くんと花火大会に行く約束をしていた月子ですが、彼に好意をもつ女の子に頼まれて二人きりにして帰ってしまいます。

その後ギクシャクしてしまう二人。加賀美は花火が見たかったんじゃなくて月子と見たかったんだよね。だけど記憶喪失の月子にとって日々を送るだけでも精一杯で、恋愛は明らかにキャパオーバーです。

「今まで通り」で十分幸せなのにと余裕のない月子。周りの言葉に追い詰められ、ついには加賀美の前で泣いてしまいます。加賀美が月子の手を握って「好きな人がいるから付き合えない」と告白を断るシーンがカッコよかった!

学園祭が近づき加賀美の気持ちに向き合う決心をした月子。二人はあっくんに勧められお化け屋敷に…それは手をつなぐことが条件のカップル限定でした!あっくん!見守る友人ズが好きです。

しかし二人は手をつないだものの微妙に気まずくなってしまいます。謝る加賀美に「嫌じゃない」と言う月子。でも加賀美は「嫌じゃないじゃ いやだ」と告げます。嫌じゃないから手をつなぐのではなくて、好きだからつなぎたいよね。

20160221-01

月子にとって最も重要な問題、それは記憶喪失が原因で距離が出来た母親との関係です。月子は記憶が戻らなくても今の「月子」として生きようと思いはじめます。加賀美くんがいればいい。でもそれは母親を裏切ることじゃないのか。母親をどう呼べばいいか分からないというのも悲しい。

最後には向き合えてよかった。今後記憶が戻っても戻らなくても、加賀美や友達がいるから大丈夫なはず。今の月子を心配してくれる友達ができて本当によかった!

ラストの幼い頃の記憶を夢見たシーン。記憶は全て消えたのではなくて、まだ戻らないだけという可能性が出てきました。事故に遭う前の「月子さん」に憧れていた月子が、だんだんと今の自分を肯定できるようになって嬉しかった。

設定が好きだったのでもっと続きが読みたかったなぁ。脇キャラを掘り下げて欲しかったのでそのへんは残念。なにより恋人になった月子と加賀美が見たかった。お幸せに!

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